青之丞(あおのすけ)の旅と読書日記

旅の途中で読んだ本の紹介と、撮った写真にまつわる歴史

エジプト 唯一の女性のファラオ ハトシェプスト女王

古代都市テーベと墓地遺跡 世界遺産1979年登録

f:id:bluetoone:20160207125226j:plainハトシェプスト女王葬祭殿

第18王朝五代目のファラオ・ハトシェプストは唯一の女王。トトメス1世の王女。

女性だけに多くの苦労をしたファラオ。付けヒゲをはやして人前にでるなど、とにかく女性だということをひた隠しにしていた。先代までのファラオが戦争によって、支配することで諸外国との関係を保っていたのに対し、彼女は外交によってエジプトの繁栄をもたらした。諸外国との関係は良好で、とくにエジプト南方と交易が盛んだったこともあり、この葬祭殿は南方の文化を取り入れ、それまでのエジプトにはない様式で建てられた。ただ残念ながら、彼女の死後、女性ファラオの形跡を消そうと碑文の文字が削られたり、彼女の存在をなかったことにする動きもあった。

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ハトシェプスト葬祭殿のハトシェプスト女王像

ファラオの像を見ると、その像がファラオの生前に造られたものか、死後に造られたものかがわかる。上の写真のハトシェプスト像のヒゲはまっすぐなので、この像は生前に造られたもの。死後に造られたものは、先が直角に曲がっている。