エジプト 唯一の女性のファラオ ハトシェプスト女王
ハトシェプスト女王葬祭殿
第18王朝五代目のファラオ・ハトシェプストは唯一の女王。トトメス1世の王女。
女性だけに多くの苦労をしたファラオ。付けヒゲをはやして人前にでるなど、とにかく女性だということをひた隠しにしていた。先代までのファラオが戦争によって、支配することで諸外国との関係を保っていたのに対し、彼女は外交によってエジプトの繁栄をもたらした。諸外国との関係は良好で、とくにエジプト南方と交易が盛んだったこともあり、この葬祭殿は南方の文化を取り入れ、それまでのエジプトにはない様式で建てられた。ただ残念ながら、彼女の死後、女性ファラオの形跡を消そうと碑文の文字が削られたり、彼女の存在をなかったことにする動きもあった。
ハトシェプスト葬祭殿のハトシェプスト女王像
ファラオの像を見ると、その像がファラオの生前に造られたものか、死後に造られたものかがわかる。上の写真のハトシェプスト像のヒゲはまっすぐなので、この像は生前に造られたもの。死後に造られたものは、先が直角に曲がっている。