『年下のセンセイ』 中村航 幻冬舎
中村航さんが描く恋愛小説は、まさに青春真っ只中の年代に向けての作品が多い。この作品は、それよりももう少し上の世代にの年齢の恋愛を描いている。
華道のセンセイをしている透(20歳)、その生徒のみのり(28歳)。年の差8歳の恋愛物語。彼氏いない歴3年のみのりは、華道教室に通い始める。そこで、花の先生をしている透に出会う。
お互いがお互いを想いすぎて、なかなか進展しない恋。少しづつ進展し始めるのは、結局相手を想うことよりも、自分の気持ちを優先した時。恋愛は、ある程度、自分勝手にならないと進まないもの、でも自分勝手になりすぎると壊れるもの。そのバッファーゾーンをうまくすり抜けたときだけ成就する。それを駆け引きとというのかもしれない。そもそも「好きだ」という気持ちを伝えることは、自分勝手な行為なのだから。
寒い季節、心をほっこり暖めるには、最高の1冊。
満足度4.2(5点満点)
なにはともあれ、行動に移さなければ、なにも始まらないのである。