青之丞(あおのすけ)の旅と読書日記

旅の途中で読んだ本の紹介と、撮った写真にまつわる歴史

『尖閣ゲーム』  青木 俊  幻冬舎

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どこまでが小説でどこまでが本当なのか?

そのリアリティに驚嘆。

アメリカ軍基地の問題、尖閣諸島の領有権に揺れ動く沖縄。日本、中国、台湾が主張する尖閣諸島の領有権の言い分は、実際に冊封使録に依るところが多い。その冊封使録「羅漢」をめぐり、陰謀が繰り広げられる。オスプレイの市街地墜落により沖縄県民の反米感情は高まり、アメリカ軍在沖縄最高司令官の射殺、沖縄県警長官の射殺など連続する大事件に沖縄県民が日本政府に反旗を翻す。アメリカの圧力もあり、住民運動を抑えようと日本政府は自衛隊の派遣する。これにより、沖縄県民の日本政府に対する不満はピークに達する。実はこの一連の事件は、ある一人の男の途轍もない野望を実現する始まりに過ぎなかった。

その男の野望は、沖縄の独立!沖縄国の建国!たった一人の男のために、日本政府は沖縄の独立を認めるのか、もしくは沖縄の後ろ盾となる中国と戦うかの選択に迫られる!

沖縄の現状を考えると、こんな事件が実実際に起こってもなんの不思議はない。独立した沖縄が、長期的に独立を保つ計画も見事に考えられて、途轍もない情報力に舌を巻く。そして、そのリアリティに度肝を抜かれる。

満足4.8(5点満点)

 

近い将来、沖縄に行くためにパスポートが必要になるかもしれない。