クレオパトラと古代ローマの将軍
ローマ初代皇帝アウグストゥス像
宿敵ポンペイウスを倒し、共和制から帝政への礎を築いたカエサル。当時ローマの属国だったエジプトの女王クレオパトラと愛人関係になっていた。クレオパトラは国内の権力争いにおいて劣勢だった。内密にカエサルに助けを求めるために、カーペットに包まってカエサルの前に登場したエピソードが映画にもなっている。カエサルとクレオパトラの間にはカエサリオンという子供も生まれた。
そのカエサルがブルートゥスらに暗殺され、ローマの覇権は、カエサルの右腕だったアントニウスとカエサルの甥っ子オクタヴィアヌス(のちのアウグストゥス)の争いになる。カエサルが暗殺され、後ろ盾を失ったクレオパトラは、アントニウスに近づき、今度はアントニウスの愛人となる。(アントニウスの妻はオクタヴィアヌスの姉のオクタヴィア)紀元前31年のアクティウムの海戦で、アントニウスとクレオパトラ連合軍がオクタヴィアヌスに負けて、クレオパトラは毒蛇に胸を咬ませ、死んだ。
クレオパトラが絶世の美女とされるのは、カエサル、アントニウスというローマ将軍を自分の虜にしたことによるのだろうが、実際はその容貌はそれほどでもなく、奇抜な考えや、明晰な頭脳など内面によるところが大きかったという説もある。クレオパトラにまつわる遺物はあまりないのだが、コインなどに描かれたクレオパトラは、それほど美しくないという。