青之丞(あおのすけ)の旅と読書日記

旅の途中で読んだ本の紹介と、撮った写真にまつわる歴史

ヴァチカン美術館 ラファエロ・サンティ 『アテナイの学堂』

ヴァチカン市国   世界遺産1984年登録

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ヴァチカン美術館 『アテナイの学堂』

 

ヴァチカン美術館の「ラファエロの間」のひとつ「署名の間」にある『アテナイの学堂』はラファエロ・サンティの最高傑作と言われている。描かれているのはギリシャ時代の哲学者。アーチの真下いる真ん中の二人。向かって左側の赤う服をきたヒゲを蓄えているのは、レオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにして、プラトンを描いている。そして同じく向かって右側の青いマントの人物は、アリストテレス。向かって左の中央寄りに頬杖をついているのは、ミケランジェロをモデルに描いたヘラクレイトス。もともとの構想では、この人物は描かれる予定はなかった。ラファエロが『アテナイの学堂』を描いている同時期にシスティーナ礼拝堂ではミケランジェロが『最後の審判』を描いており、そのミケランジェロの絵が素晴らしいとの噂を聞いたラファエロは、こっそり『最後の審判』を見学にいったところ、そのあまりの芸術に驚嘆し、ミケランジェロをモデルに書き加えた。残念ながら、この写真には入れられなかったのだが、下の段の右から2番目の人物(描かれた人物の中で唯一、視線が合う人物)がラファエロ本人である。