青之丞(あおのすけ)の旅と読書日記

旅の途中で読んだ本の紹介と、撮った写真にまつわる歴史

『聖母』  秋吉理香子  双葉社

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幼稚園児が被害者となる猟奇的殺人事件が連続して起こる。その事件の犯人は、剣道部に所属する高校生・真琴。しかし、犯人の真琴ですら、想像し得なかった事実が起こる。真琴の存在に警察が気づき始めたころ、ドラマはクライマックスを迎える。そして、読者は事実を知り、驚愕するだろう。

ラストに種明かしがある作品なので、これ以上内容を書くとネタバレになりそう。母たちの子を想う気持ち、強さが際立つ。それにしても、こんな結末でいいのだろうか??著者に騙されたという気持ちと、あまりにも異常な結末に、あっけにとられる。最後のパズルの一片を嵌める達成感を味わいさせながら、読者を暗い海底におとしめる秋吉理香子さん、おそるべし。

満足度3.8(5点満点)