青之丞(あおのすけ)の旅と読書日記

旅の途中で読んだ本の紹介と、撮った写真にまつわる歴史

『もしも俺たちが天使なら』  伊岡 瞬  幻冬舎

f:id:bluetoone:20160313145154j:plain

頭脳派詐欺師の谷川涼一は、詐欺に暴力と脅迫は絶対使わない。選ぶ対象は金持ち、その強欲さを逆手にとって金を巻き上げていた。一方、喧嘩がめっぽう強く、イケメンでセレブのヒモとして生きている松岡捷。そして、過去の傷を引きずった、バツイチの元刑事の染井義信の3人が、渋谷で起きたちょっとした乱闘事件で出会う。捷の実家は山梨のぶどう農園を経営しているのだが、10年ぶりに再会した義理の妹が「変な男に農園を乗っ取られるかもしれない」と助けを求めてきた。それを知った捷は、涼に相談して、探偵事務所で臨時に雇われていた染井も、担当した事件がらみで、この騒動に巻き込まれていく。敵は黒田和雄が率いる関西の武闘派詐欺グループ・クロモズの幹部青木惇。状況は圧倒的不利の中、最後の決戦にむかう3人の運命は・・・。

勧善懲悪を描いた小説。警察では助けられない事件を、詐欺師が解決していく様は愉快。実際、こんなことが起きているかもしれない。江戸時代の鼠小僧を連想する。詐欺師が人を助けるるために詐欺をしたら、それは犯罪、それとも人助け?

満足度2.5(5点満点)